代謝アップで痩せよう? 〜悪魔変換シリーズvol.①

街の健康関係のものを見ると「代謝アップで脂肪燃焼」というようなキーワードを見かけます。

トレーニングジムはもちろん、マッサージ、サプリメントなどそれぞれが代謝アップを手伝ってくれる施設や商品があります。
今回はどうしたら代謝アップできるのかを理解して、そのメリットを受けられるようにしていきましょう!

代謝アップしたら本当に痩せる?

世間でいわれている、代謝アップ = 基礎代謝量アップということで間違いないと思います。
基礎代謝量とは「生命維持のために使うカロリー」のことです。
呼吸や心臓などの内臓を動かしたりするので、運動をしなくても自然とカロリーを消費します

つまり、「基礎代謝量が大きくなると、日常で消費するカロリーが大きくなるので、痩せやすくなりますよ。」
これが「代謝アップで脂肪燃焼」をすすめる説明となります。

そうすると次のステップは「基礎代謝量をあげるためにはどうしたらいいか」ということになりますね。
ここで出てくるのが、ジムだと「筋肉をつけましょう」、マッサージ店などであれば「肩甲骨はがしで固まった筋肉を動かしやすくしましょう」
サプリメント類だと「脂肪をエネルギーとしてつかいやすくなる成分」などが説明としてあがってきます。

トレーニングジム側の僕としては「筋肉をつけて…」を選びたいところですが、正直なことを3つ言います
①筋肉をつけても、少ししか基礎代謝量はあがりません。
②筋肉をつけるためには、食事からの十分なカロリーが必要です。
③トレーニングで脂肪だけを狙い撃ちするのは不可能です。
こう言うとジムとしては商売上がったりかもしれません(笑)。でも、ここからが本当の代謝アップの話です。

代謝には4つ種類があります

代謝と一言で言っても、いろんな種類があります。
僕はすごい汗かきなので、とんでもない量の汗をかいているときに「代謝が良くて羨ましい!」と良く言われます。(慰めじゃないと嬉しい)
ここでは体にはどんな代謝があるのかを整理してみましょう。

・基礎代謝(安静時の消費)
・活動代謝(日常や運動の消費)
・食事誘発性熱産生(消化吸収の消費)
・細胞代謝(髪・皮膚・筋肉の入れ替え)

髪の毛や爪の生え替わりは「新陳代謝」といいますね。
カロリーを消費するのは、基礎代謝、活動代謝、食事誘発性熱産生ですが、爪や髪が伸びるのも代謝のうちです。

冒頭にお話しした「汗をかく」のは正確には代謝ではなくて、正確にいうと活動代謝で上がった体温を下げるために汗が出たということになります。
「代謝がいいから汗が出る」は正しいですが、汗が出ないことは脱水や自律神経などの要素もあるので、「汗が出ないのは代謝が悪いから」ではないことも覚えておいてください。

それでも代謝アップで痩せたい!

ごちゃごちゃうるさいよ!それでも代謝アップして痩せたいんだよ!どうしたら代謝アップするんだよ!
という方はこちらをどうぞ。

①まずは水を飲もう

血液やリンパ液など人間の体は基本的に液体によってシステムが働いています。
まずは必要な水分が体にあることが基本の条件です。
体重に1kgつき、おおよそ50mlくらいを目標に水分をとるようにしましょう
食事から1L〜1.5L程度の水分を取れるとされていますので、
例えば70kgの人だったら3.5L、うち食事で1.5Lくらいとれるとして、2Lくらいが目安です。
ちなみに僕はトレーニングをする日は5Lくらい水分をとります。

②睡眠をきちんととりましょう

体のシステムを働かせるためには睡眠時間が必要です。
睡眠には個人差がありますが、多くの研究で7〜9時間が推奨されています。
個人差はありますが、目安として8時間前後寝ることができれば理想です。

③バランスの良い食事をしましょう

代謝の一つである食事誘発性熱産生は食べたものを消化するときに消費するカロリーです。
これがもっとも大きく働くのはタンパク質、ついで炭水化物、脂質ではほとんどカロリーを消費しません
これを踏まえるとタンパク質を意識した食事、糖質や脂質を取りすぎないこと、
そして消化をスムーズにするためにビタミンやミネラル、腸内環境を整えるための食物繊維をバランスよくとりましょう。

④血流をよくすること

上の3つをやってみた上で、血流がよくなると体がスムーズに働き始めます
ではどうやって血流を良くするかを簡単なことから順にご紹介していきます。
最初はお風呂に入るのがやりやすいと思います。次にストレッチなどの体を伸ばす動き、まだ余裕があるならウォーキングなどの有酸素運動もおすすめです。
少しハードですが筋トレは直接的に効果が出ます。
まずは続けられることが最優先なので、自分にあったものを選べばOKです!

代謝アップに関する勘違いについて

冒頭でお話ししたトレーニングジムからの正直な話について、少し詳しくお話ししますね。

①筋肉をつけても、少ししか基礎代謝量はあがりません。

「筋肉をつけて代謝アップ」はよく言われることですが、筋肉を1kg増やしても13kcal程度しか基礎代謝はあがりません
でも筋肉質の人は「代謝がいい」イメージがありますよね。
それはなぜかというと筋肉をつけるためには代謝をよくしなくてはいけないからです。
「卵が先か、鶏が先か」というような話になってしまいますが、代謝が良いと爪や髪が伸びたり、細胞もスムーズに入れ替わります。
つまり筋肉が早く成長するのも細胞の代謝がいい証拠です。
つまり「代謝アップして筋肉をつけよう」が本来の正しい文脈ということになります。

②筋肉をつけるためには、食事から十分なカロリーが必要です。

代謝アップしたいと考えている方の多くは「脂肪を減らして体重を減らしたい」ということを希望していると思います。
これも難しいのですが、筋肉を増やすためには十分な栄養が必要です。
脂肪を減らすには食べるエネルギーよりも活動するエネルギーが必要な状態、つまり栄養が足りない状態を作らなくてはいけません。
筋肉がつくことと脂肪が減ることは限りなく逆の方向なのです
そんなことないでしょ!と思う方もいるでしょうから、もっと単純にすると、筋肉が増えると体重は増え、脂肪が減ると体重は減ります。
減ると増えるが同時に起こることはないと考えていいでしょう。
かなりハードなトレーニングをするアスリートなら起こる可能性はありますが、その人たちは基礎代謝アップということを考えるステージでトレーニングをしていません。

③トレーニングで脂肪だけを狙い撃ちするのは不可能です。

一般的に「有酸素運動が脂肪を減らす」と言いますが、これもあまり正確ではありません。
正確には「無酸素運動が糖質をつかう」ことが正しいのです。
無酸素運動にも種類がありますが、わかりやすく筋トレということにしましょう。
短時間での強い負荷で筋肉を鍛えるようなトレーニングでは糖質をエネルギーとして使います。
それ以外の運動では脂質がトレーニングとして使われる比率が上がります。

例えば「無酸素運動、有酸素運動、スポーツの技術練習、メンタルトレーニングの中で、最も脂肪をエネルギーとして消費するトレーニングはなんですか?」
という問いがあった場合の答えは「有酸素運動」ということになります。
人間の体は糖質、もしくは脂質をエネルギーとしている(特殊な状況でケトン体もエネルギーになる)ので、糖質をエネルギーとしない場合は脂質がエネルギーになります。
そして糖質が枯渇した状態や長時間の運動では脂質がメインのエネルギー源になるのです。
こんなわけなので、「〇〇トレーニングで脂肪燃焼!」という広告などを見るたびに「んなわけあるかい」とツッコんでいます。

結論:代謝アップについて

代謝とは「体内でエネルギーを作ったり使ったりして、あなたの体が正常に働くこと」です
その機能を正常に働かせるためには、水分をとり、バランスの良い食事をし、適度に体を動かすことが必要です。

日々の生活で疲れてしまって運動をしたくないこともあれば、ジャンキーな食事をしたいこともあるだろうし、夜更かししたい日もあると思います。
それを日々整えていくことが代謝アップに繋がることです。
特別なサプリを飲んだり、代謝アップメソッドをするよりも基本的なことをするだけでいいのです。

◻︎水を1日1.5L〜2L程度を意識して飲んでいる
◻︎タンパク質、糖質、脂質のバランスの良い食事をとっている
◻︎食物繊維を1日20g程度、ビタミン・ミネラルを意識してとっている
◻︎入浴で体を温めるか、トレーニングをしている
◻︎1日7時間程度の睡眠をとっている

この5つの中でできていないことはありませんか?
できていないことがあれば、やってみるだけで代謝アップに繋がります。
健康やダイエットの情報を見ると「代謝アップするには…」と、知らなかった栄養素や食材、
代謝が上がるツボやマッサージ方法などが紹介されています。

それはこの5つができた上でやっていくと、プラスアルファで効果が出るものです
代謝アップは難しいことでも特別なことでもありません。
まずはコップ1杯の水分を多めにとって代謝アップしてみましょう!

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