個人的にはBIG3をした方がいいと思っています

個人的にはトレーニングをするならBIG3を取り入れた方がいいと思います。
ここでは理由を3つご紹介します。

自重トレとフリーウェイト

僕が最も成功した競技は、空手です。

いい成績を収められた理由は、
競技に必要なフィジカルと、僕の得意なトレーニングゾーンが一致していたからだと思います。
(もちろん、素晴らしい師範や先輩、仲間に恵まれたのは大前提です)

当時は、自重トレーニングを中心に取り組んでいました。

僕の体格は、身長170cm・体重72kg、体脂肪率は普段で約11%、試合前の追い込み時期には9%くらいでした。
それだけ激しく、継続的にトレーニングしていたことがお分かりいただけると思います。一部、当時のメニューをご紹介します。

種目回数
ラテラルジャンプ20回
スケータージャンプ20回
スプリットジャンプランジ20回
反復横跳び20秒
ジャンプスクワット50回
シコ踏み50回
片足カーフレイズ50回

これらをすべて3セットずつ行っていました。
この後走ったりしていたので、さらにハイボリュームな内容でした。
結果、圧倒的な耐久力が身についたと感じています。


そんな僕が空手を引退し、バーベルを使ったフリーウェイトに取り組み始めたところ、
約2年で体重が6kg増加しました。体脂肪率はほぼ変わっていません。

それほどまでに、自重トレとフリーウェイトのトレーニングでは筋肉量を増やす効率に差があると実感しています。

勝負の世界に「たら、れば」は禁物といいますが、空手時代にフリーウェイトの知識をもっていたら、と考えてしまいます。


自重トレーニングには良さがあります。
しかし、筋肉を効率よく成長させたい
あるいは体の正しい使い方を知りたいなら、
BIG3(スクワット・ベンチプレス・デッドリフト)が最短ルートです。


長年、自重トレーニングをやり込んできた僕だからこそ、
BIG3を取り入れることをおすすめします。

トレーニングへの意識が変わる

バーベルを使ったトレーニングとマシンなどを使ったトレーニングの違いは、「連動」です。

初めてお会いする方に「どんな体になりたいですか?」と伺うと、
多くの方が「マッチョよりも、バランスのいい体になりたい」とおっしゃいます。
(もちろん、「ゴリゴリマッチョになりたい!」という方も少数いらっしゃいます)

そんな方にこそ、バーベルを担いだスクワットをおすすめしています。

背中にバーベルを担ぎ、まっすぐしゃがんで立ち上がる動作は、
筋力重心のコントロールができなければ理想通りに動けません。

筋力の弱い部分があると、関節に負荷が逃げてしまいますし、
力の方向やタイミングを間違えると体が前後にぶれてしまいます。

一方で、マシンを使ったトレーニングではこういったことが起こりにくく、
「効いてる感じ」が得やすいのも確かです。
安全に負荷をかけやすいため、筋トレ初心者には取り組みやすいのです。

ただし、バーベルだけで筋肉に負荷をかけるのは難しい分、
自分の体の特徴やクセを知ることができ、より深い効果が得られます。

バーベルを使ったトレーニングでは、
自分の得意な動きや姿勢を意識しながら、バランスよく目的の動作を行う必要があります。
その代表的な3種目が、BIG3(ベンチプレス・スクワット・デッドリフト)です。


トレーニングの目的は、筋肉に負荷をかけることだけではありません。
自分の体の特徴や動きを知ること
日常生活で崩れたバランスを整えること
それも、立派なトレーニングの目的です。


なんとなく筋トレをしている人から、
フリーウェイトを通じて、自分の体と向き合う人」へ。
その一歩を、ぜひここから踏み出してみてください!

日常での嫌なことがちょっと少なくなる

トレーニングの本質は、「少しできないところを正しく頑張る」ことです。
一見簡単そうに見えますが、体が成長すればするほど難しくなっていきます

ストレッチを例にすると、最初は前屈でつま先にすら触れなかった人でも、継続すれば少しずつ柔らかくなっていきます
ところが、そこからさらに「おでこを膝につける」や「胸を太ももにくっつける」といったレベルになると、痛みや限界が壁となって立ちはだかります

特に大腿裏(ハムストリング)やふくらはぎの筋肉が強く伸ばされると、「これ以上は危険」と身体が判断し、自然とブレーキがかかるようになります。

これは筋トレにおいても同じで、一定以上の負荷がかかると
身体が無意識に力を逃がそうとするのです。
これがいわゆる「フォームの崩れ」につながります。

フォームを正しく保つには、

  • 少し苦しいこと
  • ちょっと痛いこと

…と正面から向き合い、乗り越えることが必要です。

人間の身体には、大きな怪我を防ぐための「防御反応」があります。

  • 熱いものに触れた時に手を引っ込める
  • 大きな音でビクッとする

このような反射はトレーニングの場面でも同じように働きます。

バーベルなどで高負荷をかけたとき、身体の各部位が逃げ出そうとします。
まるで沈む船からネズミが脱出するように、体中が力を分散しようとするのです。

本当に“逃し上手”な人をサポートしていると、
「そんな逃げ方ってある!?」と思わず笑ってしまうこともあります(笑)

防御反応を出すべきタイミング・抑えるべきタイミングを見極め、
自分の体を俯瞰して見る力=メタ認知が求められます。

あの有名なギャグ、
なかやまきんに君の「どっちなんだい!?」は、実はトレーニングをしている人なら誰もが直面する筋肉との対話を表しているのかもしれません。

このイメージでトレーニングをしていると、
筋肉が疲れて思うように動かなくなったとき、
頑張れ!もっといける!」と、まるで他人に声をかけるように鼓舞できるようになります。

不思議なことに、そんなことを繰り返していると、
自分の苦しみや限界を“他人事”として捉えられるようになるのです。

痛みや苦しさを「これは自分の感情じゃない」と切り離して捉えることができると、
日常で感じるストレスがほんの少し軽くなるのです。

心も体も成長できることこそが、
トレーニングの本当の価値だと僕は思っています。